芭蕉が訪れた山寺(立石寺)での名句あれこれ

松尾 芭蕉

芭蕉
元禄2年1689年 奥の細道で訪れた芭蕉は当初山寺に立ち寄る予定では、なかった様ですが人々のすすめにより足を運び 「閑かさや・・」
の名句を残しました。
夏の暑い日、山中の巨岩に響く蝉の声は芭蕉の耳にはどのように聞こえたのでしょうか?

木立のあちこちに見える岩は海底火山の噴出物が堆積したものが隆起したものと パンフレットに書いてあります。表面はでこぼこ、風化して月面の風化のような穴が無数にあります。
芭蕉がこの山寺を訪ねて300年以上経った今でも山寺は風雪に耐え、変わることなくその姿を我々に見せてくれます。

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山寺で一番古い建物、納経堂と共に芭蕉がお参りしてであろう開山堂、その様子が「奥の細道」に書かれています。
山形領に立石寺と云山寺あり。慈覚大師の開基にして、殊清閑の地也。 一見すべきよし、人々のすゝむるに依て、尾花沢よりとつて返し、其間七里ばかり也。 日いまだ暮ず。梺の坊に宿かり置て、山上の堂にのぼる。 岩に巌を重て山とし、松栢年旧土石老て苔滑に、岩上の院々扉を閉て物の音きこえず。 岸をめぐり岩を這て仏閣を拝し、佳景寂寞として心すみ行のみおぼゆ。

閑さや岩にしみ入蝉の声

山形藩の領内に立石寺という山寺がある。慈覚大師が開かれた寺であり、とりわけ清らかで静かなところである。
「一度見ておいた方が良い」と人々に勧められ、尾花沢から引き返すように出かけたが、その間七里ほどであった。 着いた時は、日はまだ暮れていなかった。ふもとの宿坊に宿を借りておいて、山上の堂に登った。 岩に岩を重ねたような山姿を呈し、松や杉、ひのきは老木となり、古くなった土や石は滑らかに苔むし、岩の上に建つ多くのお堂の扉は閉じられており、物音ひとつ聞こえない。 崖のふちをめぐり、岩を這うようにして仏閣を参拝したが、すばらしい景観は静寂の中でさらに映え、ただただ心が澄み渡っていくようであった。
なんと静かに思えることよ。その鳴き声しか聞こえず、かえって静けさがつのるように感じられる蝉の声は、まるで岩々にしみこんでいるかのようだ。

おくのほそ道

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